パソコンと比較すると、画面サイズが小さいスマートフォンでインターネットを閲覧するユーザーが増えています。
スマホ向けの1ページの文字数は少ないほど良いと言われますが、本当に文字数の少ないページほど読まれる傾向にあるのでしょうか?

ユーザビリティから考えると・・・

まず、スマホでの読みやすさを考えると、少ない文字数が良いという意見は、まったく正しいものです。
画面の小さなスマホでは、表示される文字数も少なく、文字数の多いページはひたすらスクロールしなければいけません。
つまり、ユーザビリティ(使いやすさ・操作性)の点では、文字を少なくすべきです。

実際のデータは?

ところが、実際のデータを見ると、それとは異なる面白い傾向があります。
クオーツ(QUARTZ)というサイトが、1ページの文字数と閲覧数の相関のグラフを公表しています。
下図が実際のそのグラフですが、一般的には、「クオーツカーブ」という名前で呼ばれています。

クオーツを簡単に説明すると、アメリカで2012年に立ち上げられた、主にスマホ向けのビジネスニュースサイトです。
開始後3年間で、約6億ページビュー、1.7億訪問数と急成長しているビジネスメディアになります。

■クオーツカーブ(出典:現代ビジネス http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37410?page=3)

 

このグラフを見ると、500ワードから800ワードの記事があまり読まれない、シェアされないという傾向が出ています。
この数値に基づき、クオーツでは、記事の文字数を500ワード以下に抑えるか、800ワード以上にするという方針を打ち出しています。
日本語にすると、500ワードが2000字弱、800ワードが3000字程度でしょうか。

なぜ、中間の文字数は読まれないのか?

ここからは個人的な意見ですが、ちょっと複雑な内容の話を、わかりやすくかつ根拠もしっかり説明して文章を書こうとすると、かなり文字数が増えてしまいます。
表面的な話だけでなく、物事の本質に迫るように掘り下げていくと、文字数も当然それに伴い増えます。
そう考えると、500~800ワードの間の記事というのは、内容的に中途半端になりやすいのではないかと思います。

また、内容が良ければ少々手間暇がかかっても多くの人に読んでもらえるという事実は、大変興味深いものです。励みにもなります。
中身の魅力は、ユーザビリティの障害を超えてしまうようです。
ホームページを運営する人にとっても、中途半端な内容が一番良くないという事実は、しっかり自覚しておいた方が良いようです。
良い内容を作りたくても、中途半端になりがちで、いつももがいている我が身ではありますが。