「直帰」とは、ホームページ(WEBサイト)を訪問した際に、最初の1ページしか見なかった訪問(セッション)のことです。「直帰率」とは、全体の訪問に占める直帰の割合を示します。「直帰率」が高いと、ホームページの反応面で悪影響があります。

「直帰」及び「直帰率」とは?

「直帰」とは?

ホームページ(WEBサイト)に訪問(セッション)があったとき、最初の1ページだけを見て離脱したセッションのことを、「直帰」と呼びます。
セッションの際に、どれくらいの時間ページに滞在したかは関係ありません。
ただし、アクセスしたユーザーは1ページのつもりでいても、更新ボタンなどをクリックしてリロードした場合、直帰になりません。

「直帰率」とは?

訪問数(セッション数)全体に占める、直帰の割合のことです。
「直帰率」は、サイトの品質を評価する重要な指標の一つになります。
一般的には、直帰率が高いことはサイトの品質が低いことを示します。
直帰率が高い場合、大半の訪問者にサイトの内容を読んでもらえていません。

アナリティクスの直帰率の計算方法

直帰率の計算式は、下記のとおりです。

「1ページの訪問数」 ÷ 「セッション数」 × 100 = 直帰率(%)

グーグルアナリティクスの場合、1ページの訪問数は、「ユーザー>行動>エンゲージメント」のページの中で、タブを訪問時のページ数に切り替えると確認できます(2017年12月時点)。

 

「直帰率」の影響

コンバージョンへの影響

ホームページの目的である、問合せや注文の獲得や資料請求の獲得のことを、「コンバージョン」と呼びます。
直帰率が高くなると、コンバージョンに悪影響を与えます。
サイトの中のほとんどのコンテンツ(内容)を読んでもらえないので、コンバージョン数は減り、コンバージョン率が下がります。

アクセス解析の数値への影響

アクセス解析の数値への影響としては、「直帰率」が上がると「ページビュー数」が減ります。
広告モデルに場合、収入の増減がページビュー数に影響を受けます。
そのため、広告モデルのサイトも、「直帰率」が上昇すると、収益が下がります。

また、直帰率が高くなると、サイト滞在時間が減ります。
Googleアナリティクスの場合、直帰のセッションはセッション時間が0になります。
実際の閲覧時間が数分間あったとしても、アナリティクスの統計上は0となります。
そのため、直帰率が高くなると、平均セッション時間が著しく短くなります。

 

直帰が起きる原因

訪問意図とページ内容のミスマッチ

代表的な直帰の原因は、ユーザーの訪問意図とページのコンテンツが合ったいないことです。
大半の訪問者は、何らかの情報を求めてサイトを訪問します。
グーグルなどの検索エンジン経由の訪問の場合、100%が何らかの情報を探している人の訪問です。
ユーザーの訪問意図や検索意図とページ内容が合っていない場合、訪問者はすぐに離脱します。
この場合は、訪問直後の時間帯に離脱が集中します。

品質の問題

ユーザーの訪問意図とページの内容が一致しても、コンテンツの品質が悪かったり、説明がわかりにくければ離脱が起きます。
この場合、コンテンツを読んでいる途中で離脱が起こります。

また、ユーザビリティの面での品質が悪くても、直帰は起こります。
代表的な例では、文字が小さすぎたり、行間が詰まっていたり、段落分けせずに膨大な文章が書かれている場合などです。

ユーザビリティの悪さはひと目でわかることが多いので、訪問直後の時間帯に直帰が発生します。

見方を変えると、これらのケースでは、ターゲットユーザーをホームページへ集客するところまでは実現しているのに追い返しているため、もったいないケースです。
SEOなど集客対策のことしか考えないでホームページを運営すると、直帰率が高くなりやすいです。

導線の欠如

品質に問題がなくても、直帰率を減らす取り組みがないために起こる場合もあります。
コンテンツの品質も良く、最後まで読み終わったユーザーに対し、他の興味のあるコンテンツへの案内がないと、ユーザーが離脱します。
適切な場所に適切な導線がないことが原因で、直帰が発生します。
グランドメニューやサイドバーメニューが導線なると考える人もいますが、コンテンツを読んでいるユーザーの視界の中では、そういったナビゲーションは見えにくいものです。

構造上の原因

場合によっては、直帰を前提にした作り方をすることもあります。
1ページ中にユーザーが満足するだけの十分な情報を掲載し、その中でコンバージョンのためのフォーム等も組み込んでしまう場合です。
代表的な例として、リスティング等の広告からリンクされるランディングページは、このような作り方をされることが多いページです。
複数ページの閲覧を前提として設計されていないので、この場合は直帰率が高くても問題ありません。
他にも、特定の用語を知りたい時に辞書のような感覚で使われることが多い情報提供サイトなど、直帰率が高くても問題ありません。
ただし、そのサイトが広告モデルの場合は、ページビュー数が減るため、直帰率を下げる必要があります。

 

 

直帰率の改善方法

訪問意図と異なる場合の対策

フェイスブック等のSNSの口コミで生まれた訪問は、訪問意図と内容がずれることはありません。
訪問意図とページ内容のずれは、主に検索エンジン経由の訪問で発生します。
もし訪問意図に合ったページがサイト内にあるのであれば、検索エンジンにヒットしたコンテンツを該当ページへ移動しましょう。
訪問意図に合ったページがサイト内にない場合は、特別に対策する必要はありません。
訪問意図は、検索キーワードから推測します。
ページ別に、訪問が発生したキーワードは、「Google Search Console」で確認することができます。
 サーチ コンソール(google search console)の使い方(基本編)

品質の悪さが原因の場合の対策

ユーザビリティの悪さは、問題の原因を特定した上で改善します。
ホームページの運営者は、慣れてしまって使いにくさが見えない場合がありますので、第三者に使いにくい点について意見を聞くことをおすすめします。
文字の小ささ、行間の詰まりすぎ、同一段落内の文字量の多さ、見出しの欠如など、具体的な問題点を特定した上で修正します。

導線の欠如が原因の場合の対策

訪問者がどういった興味や関心を持っているかを想定し、ページのコンテンツ(本文)の途中や下部に、訪問者の関心のある情報へのリンクを追加します。
ページ別に、訪問が発生したキーワードは、「Google Search Console」で確認することができます。
 サーチ コンソール(google search console)の使い方(基本編)

構造に原因がある場合

広告のランディングページの場合、直帰率が高くても問題ありません。
収益モデルが広告モデルの情報提供サイトの場合、直帰率を下げページビュー数を増やす必要があります。
コンテンツ本文の途中や下部に、ページのコンテンツと関連のあるコンテンツへのリンクを、積極的に追加しましょう。

 

直帰率の目安

直帰率は、低いほど良いものですが、いくら以下が望ましいという一般的な目安はありません。
仕事柄、中小企業や自営業の方のアクセス解析を見る機会が多いので、個人的な見解としては、スモールビジネスのサイトの直帰率は高いサイトが多いという印象です。
80~90%台のサイトも数多くあります。
そのため、個人的主観ですが、スモールビジネスのサイトの場合、直帰率が70%を下回っていれば悪くないと思います。
60%を下回れば、良いレベルです。
50%を下回れば、非常に良いレベルのサイトだと思います。

 

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